「SEOを意識して記事を書いているのに、なかなか順位が上がらない」。オウンドメディアやブログを運営している企業から、よくいただくご相談です。
文字数を増やしたり、キーワードを何度も入れたりしても順位が動かない場合、原因の多くは「検索意図のズレ」にあります。検索した人が知りたいことと、記事に書いてあることが合っていないのです。
この記事では、SEOにおける検索意図とは何か、ズレているかどうかの見分け方、そしてズレていた記事の直し方を、実務の手順に沿って解説します。
SEO記事が上がらない原因は、文字数でもキーワード出現率でもない
以前は「文字数が多いほど有利」「キーワードを〇%入れるとよい」といった話がよく聞かれました。しかし現在のGoogleは、検索した人の疑問に最も的確に答えているページを上位に表示しようとしています。
そのため、どれだけ文字数が多くても、読者の知りたいことに答えていなければ評価されません。逆に、短くても的確に答えている記事が上位に表示されることもあります。
検索意図とは?4つのタイプ
検索意図とは、ユーザーがそのキーワードで検索した「目的」のことです。一般的に、次の4つのタイプに分けて考えます。
| タイプ | 目的 | キーワードの例 |
|---|---|---|
| Know(知りたい) | 情報や答えを知りたい | 「SEO とは」「E-E-A-T 意味」 |
| Do(やりたい) | やり方・手順を知って実行したい | 「GA4 設定方法」「ポートフォリオ 作り方」 |
| Go(行きたい) | 特定のサイトや場所に行きたい | 「〇〇株式会社 ログイン」「印西市役所」 |
| Buy(買いたい・依頼したい) | 比較して購入・依頼先を決めたい | 「ホームページ制作 費用」「SEO 会社 比較」 |
記事を書く前に、狙うキーワードがどのタイプにあたるかを考えるだけでも、構成のズレを防げます。
同じキーワードでも、検索する人の目的は違う
注意したいのは、同じキーワードでも検索する人の目的が一つとは限らないことです。
たとえば「CRM 比較」というキーワードで検索する人は、大きく3つの層に分かれます。
- 機能の違いを知りたい人(情報収集の段階)
- 自社に合うかを判断したい人(比較検討の段階)
- 稟議や社内説明の資料がほしい人(意思決定の直前)
1本の記事でこの全員を満たそうとすると、結局誰にも刺さらない記事になりがちです。ターゲットとする層を1つに絞り、見出し構成をそれに合わせることで、滞在時間やお問い合わせ率も改善しやすくなります。
よくあるズレ:「〇〇 費用」で自社の魅力ばかり語ってしまう
「ホームページ制作 費用」と検索する人が知りたいのは、相場観と費用の内訳です。それにもかかわらず、自社サービスの強みやこだわりを中心に語ってしまう記事がよくあります。
読者はまず「だいたいいくらかかるのか」「何にお金がかかるのか」を知りたいので、その答えを先に示し、自社の紹介は後半に置くのが適切です。
上位10記事から検索意図を読み解く手順
検索意図を知るいちばん確実な方法は、実際に検索して、上位に表示されている記事を見ることです。Googleが「この検索にはこの答えが合っている」と判断した結果が、上位記事に表れています。
- 狙うキーワードで検索し、上位10記事を開く(広告は除く)
- 各記事の見出し(H2・H3)を書き出す
- 多くの記事に共通している見出しに印をつける
- 共通見出しから「読者が必ず知りたいこと」をまとめる
- 上位記事に足りない視点や、自社だけが語れる経験を探す
書き始める前にこの作業を5分行うだけで、記事の方向性は大きく変わります。
ただし「上位記事の真似」だけでは勝てない
ここで注意したいのが、上位記事を真似るだけでは順位は上がらないということです。Googleは、すでにある記事と同じ内容の「2つ目」を高く評価しません。
求められているのは、独自の経験・データ・視点です。自社の現場で得た知見、お客様の声、失敗から学んだことなど、競合がコピーできない情報を加えることで、記事の価値が高まります。これはGoogleが重視する「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」の考え方にも通じます。
検索意図がズレていた記事の直し方
すでに公開している記事の順位が伸びない場合は、次の手順で見直してみてください。
- サーチコンソールで実際の検索クエリを確認する:狙ったキーワードとは違う言葉で表示されていることがあります
- 上位10記事と見出しを比較する:読者が求めている答えが自社記事にあるかを確認します
- 結論を冒頭に移す:検索した人の疑問への答えを、最初の段落で示します
- ターゲットを1つに絞り、不要な見出しを削る:あれもこれも書いている記事は、焦点を絞るだけで読みやすくなります
- 自社の経験や事例を加える:他の記事にはない一次情報で差別化します
リライトはすべての記事に行う必要はありません。どの記事から手をつけるべきかは、別の記事「SEOリライトの優先順位の決め方」で詳しく解説します。
よくある質問
Q. 文字数は気にしなくていいのですか?
A. 文字数そのものは評価基準ではありません。検索意図に十分に答えた結果として、必要な文字数になるのが理想です。上位記事の文字数は目安の一つとして参考にする程度で大丈夫です。
Q. キーワードは何回入れればいいですか?
A. 回数を意識する必要はありません。タイトル、冒頭の段落、見出しなど、読者が内容を判断する場所に自然に入っていれば十分です。
Q. 検索意図が複数ある場合はどうすればいいですか?
A. 記事を分けるのがおすすめです。1記事では最も多い意図に答え、他の意図には別の記事を用意して内部リンクでつなぐと、読者にもGoogleにも分かりやすい構成になります。
まとめ
- SEO記事が上がらない原因の多くは、文字数やキーワードではなく「検索意図のズレ」
- 検索意図はKnow・Do・Go・Buyの4タイプで考える
- 同じキーワードでも目的は分かれるため、ターゲットを1つに絞る
- 上位10記事の共通見出しから、読者が求める答えを把握する
- 真似で終わらせず、自社にしか書けない経験や事例を加える
順位を上げる近道は、読者の疑問に正面から答え、自社にしか書けないことを書くことです。
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この記事を書いた人:田口 英里奈(株式会社Femme Creatives 代表)
Webディレクター・デジタルマーケター。営業・マーケティング・Web制作の現場を経験し、これまで500社以上のWeb集客を支援。グローバルサイトのWebディレクション、SEO・SNS運用、EC構築のほか、自治体主催セミナーの講師も務める。